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「錆びた館」 http://kakudou.moto-chika.com の日替わり日記部分のみの分館
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2024/11/22 (Fri)
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2018/01/22 (Mon)
いつもは関西での開催の定例研究会のほぼ年一回の東京での開催。
前年までは東武練馬の大東文化大でしたが今回は新宿で。こんなとこにこんな教室があるとは。


客、じゃない聴講者というか参加者は30人位?割と知ったお方多し。
今回の議題は特別企画「近代の怪異観と道徳」ということで、道徳はこの教室を貸してくれた大学の専門なのだそうです。近代の怪異観はもちろん柳田中心で。

○「日本近代における道徳と霊―穂積陳重・柳田國男の議論を中心に―」 
ー久禮旦雄氏(モラロジー研究所研究員)
【要旨】   本報告は柳田國男の主要学説である祖霊信仰と、彼の道徳観との関係を考察す るものである。柳田の著作には、しばしば「外から」「上から」のものではない、 「内から」「下から」の道徳への言及が見られる。柳田はそのような在来の道徳 観を成り立たせているものとして、村落の信仰や共同性を想定している。今回の 報告では、以上のような柳田による道徳と信仰との関係という問題設定の原型と して、法律と祖霊信仰(死者崇拝)との関係を論じた明治初期の法学者・穂積陳 重の議論を参照し、両者の関係について論じてみたい。

○「柳田国男と妖怪 ―近代社会の小さき神々―」
 ー化野燐氏(小説家)
【要旨】   報告者はこれまで、柳田國男が妖怪の研究にあたってどのように周囲の郷土研究者 たちとかかわり必要な情報を集めたか、どのような存在を研究の対象としてきたか などを、「妖怪名彙」というテキストの成立過程、その素材ともなった山村・海村調 査の『採集手帖』を手掛かりに読み解いてきた。 今回は、そうしたこれまでの成果を簡単に概観した上で、柳田がなにを目的として、 いかなる範囲の妖怪を研究しようとしたのか、これまで妖怪研究の文脈ではあま り言及されることのなかった『日本民俗学入門』などを足場にして考えてみたい。

○コメント「新国学と道徳」 ー川久保剛氏(麗澤大学准教授)

レジュメも充実。さらに柳田國男が各地方に弟子を向かわせるときに持たせた手帳も回覧。これが予め行き先での質問が100項目印刷されてて、持った聞き手によりそれだけでも重要な資料になるというもの。年代により質問事項に変化あるところもまた研究対象となってますが、柳田とか民俗学とは畑違いの川久保さんによるコメントも興味深いものでした。

発表後の質疑応答で参加者から鋭い発言や厳しい指摘があったのもこの会ならでは。また来年も楽しみにしてますが一度くらい関西のも覗いてみたいもの。

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