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「錆びた館」 http://kakudou.moto-chika.com の日替わり日記部分のみの分館
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2023/02/03 (Fri)
ヒューマントラストシネマ渋谷で開催中「未体験ゾーンの映画たち2023」

もう二巡目になってて、ベトナム産ホラー映画見逃したと気がついたときにはこんな香港ノワールも残り日数わずかではないですか。あわててみてきました。
 
三年ぶりムショ帰りの任賢齊リッチー・レン、その兄貴分で黒社会のボスに任達華サイモン・ヤム、正義感の警察に方中信アレックス・フォン。はまり役だけどちょっと地味ではないのかな。黒社会の大ボスに洪金寶サモ・ハン出るとはいえ。なんて思ってたらこれが。
任賢齊と任達華の五人の兄弟分は黒社会ボス選挙で仲がこじれていくし潜入捜査もからんでくるし警察内の汚職もあればもちろん組同士の抗争もあり、肉弾戦銃撃戦カーアクションなんでもあり。
ムショに入る前が1991年、映画の主な舞台が1994年。97年の返還を前にしてのいろんなことがぎゅ〜〜〜っと詰まってて、場面変わるごとにあれこれどっかで見たような、と。ただでさえ香港映画はプロットが詰まってるのに更に数倍入れ込んだような驚きの構成。何しろ死亡フラグかなと思ったら数分後には死んでるんですよ。いわゆる香港映画ファンの人には必ずしも好評ではないようなのですが、なんだろうただやってみましたというだけ(それはそれでできたらすごい、な密度)でないものがありますよ。極めつけが終盤で流れる『男たちの挽歌』の主題歌『當年情』ここまで展開の速さにあっけにとられてたのが、気がつくわけです。この映画全体が香港ノワールの走馬灯のようなものではないかと。だからといってこのまま香港映画を終わらせたいわけではないことは希望を持った終わり方で示されてる気がするわけです。香港ではなく中国本土の資本、製作でよくこんなことやれたな。カットによって任賢齊が高倉健に見えたりはともかく任達華が黒沢清に見えるのはびっくり。
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